戦後1949年の酒税法で「甲類・乙類」の分類呼称が定められたが、通常甲乙の称は等級や順位でも使われる表現であるため、ややもすれば「乙類」が「甲類」に劣ると誤解されかねなかった。これを危惧した江夏順吉(当時の霧島酒造社長)が1957年に九州旧式焼酎協議会において「本格焼酎」という呼称を提唱、1971年(昭和46年)12月10日に「酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律施行規則」(昭和28年大蔵省令第11号)が一部改正され「本格しようちゆう」と呼称・表記することが可能となった[11][38]。(2008年12月現在、法令の条文上では「本格しようちゆう」のみが使用されており漢字の「本格焼酎」の登場例はないが、以下業界での慣用に倣って本節では後者を用いる。)
しかし、「本格焼酎」の呼称を用いる基準が必ずしも明確でなかったことから議論が生じ、その結果2002年11月1日に前述の省令の一部改正により基準が強化され、以下に掲げるアルコール含有物を蒸留したものでなければ本格焼酎と名乗ることはできなくなった。なお、単に「焼酎乙類」「単式蒸留焼酎」と表示するのであれば材料は制約されない[39]。
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穀類又はいも類、これらのこうじ及び水を原料として発酵させたもの
穀類のこうじ及び水を原料として発酵させたもの
清酒かす及び水を原料として発酵させたもの、清酒かす、米、米こうじ及び水を原料として発酵させたもの又は清酒かす
砂糖(政令に掲げるものに限る)、米こうじ及び水を原料として発酵させたもの(黒糖焼酎)。
穀類又はいも類、これらのこうじ、水及び国税庁長官の指定する物品を原料として発酵させたもの(その原料中国税庁長官の指定する物品の重量の合計が穀類及びいも類及びこれらのこうじの重量を超えないものに限る)
本格焼酎ブーム [編集]
日本では、2003年頃から焼酎乙類を対象とする「本格焼酎ブーム」が起き、同年には焼酎類全体の出荷量が日本酒の出荷量を約50年ぶりに上回り[40][41]、2004年には売上高もピークを迎えた[41]。ブームに伴って、本格焼酎を専門に扱う焼酎バーも登場している。
ブームの影響によって、材料や製法にこだわった焼酎も盛んに市場へと送り出されていた[40]。鹿児島で本格焼酎は1500円前後の商品が消費の中心であるが[18]、より美味しい焼酎を望むニーズと、作り手のこだわりによって高価格で本格志向である味の焼酎[注釈 3]も登場した。しかし、少なからぬ弊害も生じた。ブームのピーク時には芋焼酎の原料となるサツマイモが市場に不足する深刻な問題が起きたほか[41]、一部銘柄ではプレミアがつき、一本数万円などという値段が付けられるようになり[42]、森伊蔵については偽物が出回る事件にまで発展した[43]。
本格焼酎需要急上昇に伴い、各地で焼酎の生産設備拡充や休止酒造場の再開、新規参入などが図られた。しかし2006年初頭からブームは沈静化しつつあり、例えば帝国データバンク福岡支店は2006年の売上が2年連続で下落したことから焼酎ブームは去ったと分析し、ブームの反動・縮小による焼酎業界への悪影響を懸念しており[41]、日本銀行鹿児島支店が2008年2月に公表した、今回の焼酎ブームについてまとめたリポート[12]では「今回のブームは終焉した」と指摘、「銘柄選別の時代に入った」と結論付けた